話題の新刊『小さな会社で大きく稼ぐ!最強のビジネスモデル』発売

『人生が大きく変わる話し方100の法則』酒井とし夫:著

『人生が大きく変わる話し方100の法則』酒井とし夫:著

全国から講演依頼が絶えない酒井とし夫(さかいとしお)さん。このほど『人生が大きく変わる話し方100の法則』を出版されました。実は酒井さん、かつては極度のあがり症だったとか。いったいどうやって克服されたのでしょう。そんな秘密が盛り込まれた「100の法則」の一部を、ご自身のさまざまなエピソードを交えながらお話しいただきました。前回取材させていただいた著書「心理マーケティング100の法則」が非常に人気で、関連書籍が出版されたので今回2回目の取材となりました。

相手に伝わる話し方とは

今回の『人生が大きく変わる話し方100の法則』は、講師という立場から「話す」ということに関して必要な全体像をまとめています。
『心理マーケティング100の法則』がおかげさまで好評をいただいていますので、同じようなシリーズで出すことになりました。

― 最初に気になったのが「格好良くではなく、自分の気持ちを熱く語る」という所です。自分をうまく出し切れない人が多いと思いますが、何か秘訣はありますか?

広告制作会社をやっていた時に、よくプレゼンがあったのですが、お客さんの前で話すのが苦痛でした。ものすごく緊張するんです。何カ月も前からプレッシャーが掛かり、原稿を書いてビルの屋上で一字一句覚えたりしましたが、本番になるといつもボロボロでした。

ところが、ある時何かでスイッチが入って、プレゼンで熱く語ったことがあるんです。その時は全然緊張しなくて、ものすごく気持ちよかった。「あ、これか!」と思いましたね。そのプレゼンはみごと通ってすごく喜ばれて、「こういうふうにプレゼンすれば伝わるんだ」というのが初めて分かりました。

酒井とし夫

気持ちを乗せる

披露宴のスピーチでもそうですが、緊張していても、「新郎新婦、ほんとに幸せになってね」という気持ちを、そのまま乗せれば伝わります。話がうまいかどうかよりも、そういう思いのほうが大事だと思うんです。

こんな例もあります。私は新入社員向けに話をするとき、20歳から70歳ぐらいの人まで、聞いているので、いろいろな年代の人向けに話題を変えるのですが、うける年代とうけない年代がある。唯一共通するのは、熱く語るときです。こちらを見る目線が違うんですよ。そんなときは「気持ちが伝わったんだな」と思います。

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会話力=聞く力

― 営業で重要だなと思ったのが第3章「雑談力会話力が上がる話し方」です。ここでは「聞く」ということに重点を置いておられますね。

講演会で熱く語ったら、その後の懇親会では99%聞き役にまわります。
いろんな業界に呼ばれますので、正直その業界団体のことを詳しく知らないこともあります。でも、質問をすると情報はもらえる。「今どういうことが一番問題なんですか」と一言聞けば教えてくれるんです。「それについてはどういう対応をされているんですか」と聞けば、また教えてくれる。それをいろんな業界団体でやっていると、どんなことで悩んでいてどこを目指しているのかが分かるようになってきます。

会話をつなぐ3つの質問

「ほかには?」「具体的には?」「何のために?」、これはコーチングで教えてもらった3つの質問ですが、懇親会はほとんどこれを使って話しています。そして懇親会が終わると「酒井さん話うまいわ」とか言われるんですよ。僕話していないのに。あれは不思議ですね。

― 気持ちがいいんでしょうね。

相手の人が話しだして止まらなくなったら、「俺、聞き方がうまいんだな」 と思うようにしています。
普段はかみさんが一番の練習相手ですね。例えば1週間の出張から帰ってくると、1週間にあったことを聞きますよね。「おふくろの具合が悪くて、ご飯が飲み込めない」と言われたときに、「そうか、じゃあ細かく砕いて柔らかくすれば」と返事をしてしまっては、そこから先の会話が成り立たない。ぐっと我慢しながら「へえ、そうだったんだ。それで、どうしたの?」とか、「ほかに何があったの?」といって、会話をつなぐ練習をします。

酒井とし夫

リアクションを使った同調効果

― 第3章で、リアクションのお話をされていますね。

リアクションは、大げさに声を出したほうがいいんですよ。「ほええ、びっくりー!マジっすかぁ」とか。そうすると喜んでくれるようです。

― リアクションがあると、話すほうも気持ちいいですし。営業がうまい人は、聞くのもリアクションもうまいですよね。

企業の社長さんとかと話していると、知らないうちに相手にしゃべらせよう、聞き役に回ろうとします。自分の情報を出せないこともあるのかもしれませんが、「普段から相手の情報を聞き取るのがうまい人が、人の上に立つのかな」と思ったりもします。

「ドキドキ」を「ワクワク」に言い換える魔法

私は、40歳ぐらいまで、人生の難関門の一つに緊張があったんです。結婚式のスピーチを頼まれたときなど、直前にトイレで吐いたこともあります。披露宴の司会も断れなくて、始まるまでに酔っぱらって、名前を間違えたりして。最悪ですよね。
だから1冊目の本を出した時、講演の依頼が来たけれども、断っていたんです。

私は緊張しないようになりたくて、本を読んだり、教室に通ったり、座禅をしたりしましたが、効き目はありませんでした。
今考えると、一番効果があったのは言葉を変えることです。以前だったら講師の席に座っていて人が入ってくると、「ああやばい、ドキドキしてきた」「ドキドキしてきた、あがるあがる」と思っていたのですが、そうじゃないんだと。
 
心臓の鼓動が速くなっているのは、楽しくてウキウキしているというのもあり得る。それで、人が入ってきたときに「あ、ワクワクしてきた」と思うようにしたのです。「すごくワクワクしてきた、心臓高鳴ってるし。ワクワクしてきたぞ! 今日はいけるんじゃないかな」みたいな感じで、一人でブツブツ言うようになりました。これが一番大きかった。

初期の頃は自分の台本にでっかく「ワクワクしてきた」と書きました。それを講演台に置きながら「ワクワクしてきた」と思うようにしたのです。

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悪い記憶の書き換え方

真面目な人は、あがったときのことを繰り返し思い出します。「あの時、もうちょっとああ言えば良かった」とか。「何でちゃんとできなかったんだろう」とか。そうするとシナプスがガッチリ固定されて長期記憶に入ってしまう。それで、また人前に出るとあがるようになるから、これはよくない。

実際には大きな声で笑われたイメージが残っているけれども、そのボリュームを小さくしてあげるんですよ。ミッキーマウスがちょっと笑ってるような声にしたりとか、映像をモノクロにしたり、ずっと向こうのほうに小さく離して「あんまりたいしたことなかったな」という記憶に書き換えていく。

うまくいったことを長期記憶にする

それとともに、自分が過去に何かがうまくいった、その時のことを視覚、聴覚、身体感覚で思い出してもらうと、ワクワクしてくる。その時にスマホならスマホを持つ。それを何回かやるといいんです。
ここでシナプスがだんだん強化されていくから、これを毎日やる。自分でできるでしょ。そうすると人前に出るときには、スマホをこう、持てばいい。そうするとワクワクしてくる。そのまま入っていって、今度はうまくいった時のことを長期記憶に保存するんです。

酒井とし夫

声の震えにはボイストレーニング

あとは、声ですね。僕のホームページの中で一番検索数が多いのは、「人前で話すと声が震える」なんですよ。声の震えで悩んでいる人が多いようです。これには、ボイストレーニングが効果的です。
声帯に力が入ると震えますから、そのための練習があります。

― いろいろな方法が、1章に具体的に書いてありますね。

このうちどれでもいいので、自分に合った方法を続けていってもらえれば、確実に声質は変わってきます。「あ、今日、声震えてない」と思えば、そのまますっといける。最初に震えると「あーやっぱり」と思う。

そのためには、できれば毎回第一声の挨拶は同じにしておいたほうがいいと思います。
「今日は何を言おうか」と考え始めると緊張します。毎回最初の挨拶は同じにする。最初うまくいけば、その後もスッといきやすいですから。

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話し方で、人生を大きく変えた

私が無職無収入になって借金を抱えていたのは、まだ10年ぐらい前のことです。それを考えると、上場企業さんからのご依頼で講演していて「何で俺がこの場にいられるのか、不思議だなあ」と思います。
ただ、はっきりしているのは、「話すことによって変わった」ということ。これは本当に大きな力になりました。

本のイントロにも書きましたが、オバマさんが大統領になることができた大きな要因の一つに、スピーチ力があるそうです。
これからますます社会は国際化し、プレゼンやスピーチの場も増えてくるでしょう。しかし、それに逆行するように、コミュニケーション能力が下がってきているのも確かです。

生身の声を使って人前でちゃんと話をするというのを一回身につけると、本当に人生変わるかもしれません。100項目ありますけれども、できること4つか5つぐらいやっていただくだけで「人生変わってきた」と、実感できると思います。話し方で人生を大きく、さらに良くしていただければと思います。

酒井とし夫

【略歴】
酒井とし夫(さかいとしお)
ファーストアドバンテージ有限会社代表取締役。プロ講演家。ランチェスター経営認定講師、米国NLP心理学協会認定ビジネスマスター、米国NLPコーチ、GCSコーチングコーチ、コミュニケーション心理学マスター、LABプロファイル・プラクティショナー有資格者。
1962年生まれ。立教大学社会学部卒。広告会社を経て、28歳で独立し、広告制作会社を立ち上げる。以後、撮影ディレクション、パソコン教室経営などを経て、再起業に成功し、現在は年間100を超える依頼のある人気講師として活躍中。
【主な著書】
「小さな会社が低予算ですぐできる広告宣伝心理術」(日本能率協会)
「売れるキャッチコピーがスラスラ書ける本」(日本能率協会)
「予算ゼロでも効果がすぐ出る 売り上げが3倍上がる!販促のコツ48」(日本能率協会)
「どん底からの大逆転」(太陽出版)
「心理マーケティング100の法則」(日本能率協会)

「酒井とし夫」公式サイト