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子どもたちへ人生に役立つスキルを。右脳で読む「瞬読」山中恵美子さん

子どもたちへ人生に役立つスキルを。右脳で読む「瞬読」山中恵美子さん

本を驚くほど速く読む「瞬読」。「右脳で読む」というその手法は、他の速読法とは一線を画しています。瞬読はどのような背景から生まれたのか。そしてどこへ向かっていくのか。「子どもたちがたくさん本を読めるようにしてあげたい」と全国を飛び回る山中恵美子氏に、とことん伺います。

山中恵美子

瞬読の始まり

― 瞬読はどのような経緯で始まったのでしょうか。

10年ほど前、夫婦で学習塾を始めました。教員免許も持っておらず、塾に勤めた経験もない私がどうして学習塾を?とよく聞かれるのですが、これには事情がありまして。

実はリーマンショックのときに、財産の全てをなくしてしまったのです。 下の子の幼稚園代をどうしようかというくらいまで、追い詰められていました。そんなとき、上の子が「お母さん、塾に行きたい。中学受験がしたい」と言い始めたのです。中学受験はお金がかかる。そもそも塾に行かせるお金なんてない。でも何かしてあげたい。

そこで考えました。「塾に行かせられないなら、自分で塾を始めればいい。そうすれば子どもはタダで塾に行くことができる。塾なら場所さえあればできる」。そんな素人考えで塾を開くことにしたのです。「どうせ作るなら、自分の子どもを通わせたいと思える塾にしよう」、そう決めました。

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読書をする子は自分の考えをアウトプットできる

来年から入試が変わります。暗記したものを4択で選ぶ入試から、自分の考えを自分の言葉でまとめて伝えなければいけない、アウトプット型の試験に変わるのです。

私は塾を運営する中で、今の子は語彙力がなく、文章を書くのが苦手だということが分かっていました。入試が変わるのに学校の授業も塾の授業も変わらない。そんな中、本をたくさん読む子は自分の言葉や考えを持っていました。だから、みんなが本を読めたらいいなと思ったのですが、聞いてみると、ほとんど読んだことがないとか、漫画しか読まないといいます。「本を読むのは時間がかかるし、そもそも家に本がない」というのです。

何とか本をたくさん読んでほしいと思い、「一冊10分で読めたら、もっと本を読む?」と尋ねると、「読むよ。 学校の朝の10分で読めるもん」と言うではありませんか。「それなら本を早く読めるスキルを教えてあげたらいい!」そう思って取り組みだしたものが、「瞬読」の始まりです。

山中恵美子2

瞬読とは右脳を使う読み方

速読は一般的に眼筋トレーニングと言われています。それによって周辺の視野を広げて速く読もうというものです。これは誰でも練習すれば倍くらいにはなるのですが、5倍10倍となると、難しいです。

瞬読は眼筋トレーニングではありません。左脳で読むと言われる本を「右脳を使って読みましょう」ということなのです。 人間は少しぐらいの誤字脱字があっても文章を読めます。私が唐突に「ラグビー」と言ったら、ラグビーボールを思い浮かべるでしょう。もともと人間は、見たものをパッとイメージできる潜在能力がある。それを使って今までとは全く違うスピードで、見たものをイメージしながら読んでいきましょうというのを教えているのです。

子どもの潜在能力

― そのことに気がついて、それを子どもたちに教えようと思ったきっかけは?

本をすごいスピードで読める子がいるというのは知っていました。でも本当にそんなことができるのか、内容を理解できているのか、私も実は半信半疑だったのです。ですからそれに関しては、ありとあらゆる本を読みましたし、いろいろな情報を仕入れました。

その中で思ったのは、「うちにはいっぱい生徒がいる。ならば私が判断するのではなく、まずは試してみればいい」ということです。

私は塾と並行してそろばん教室もやっています。そこでは、幼稚園で2桁の掛け算ができる子もいるんです。子どもたちの潜在能力って大人が思っている以上にすごいんじゃないのかなというのを実感していました。

「だから速く本を読むこともできるんじゃないかな」そう思って、まずは8人の生徒に試してもらったのです。そうしたら1カ月かそこらで全員が10倍か20倍のスピードになった。「これはすごい」ということで、塾の子に向けて教え始めました。それが3年前のことです。

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塾生から家族へ、そして全国へ

子どもたちも最初は半信半疑ですが、うちの塾の生徒なので、私を信じて来てくれる。すると、普段本を読まなかった子たちが家でも本を読みだしたり、暗記のテストで点の取れなかった子が100点を取ってきたりと、親が変化に気付きだしてくれたのです。すると、お父さんお母さんも一緒に習いたいと言われて。それが大人向けにやり始めたきっかけです。

― 僕も本を読むのですが、自分が得意なジャンルならある程度スラスラ読むものの、違うジャンルだと止まってしまいます。

確かに基礎の知識は必要です。英語の知識のない子に英語の本を読ませようと思っても、それは無理です。ただそこに行き着くまでの勉強には十分使えます。3年前からやり始めて、周りの保護者さんや子どもたち、たくさんの人が変わっていくのを見て、「こんなに喜ばれるならもっと広げることができるんじゃないか」と考え、去年の5月に協会を立ち上げました。

山中恵美子

1時間のレッスンで出版決定!?

― 瞬読の本が出版されたのはいつですか?

去年の11月10日ですから、もうすぐ1年です。今13刷目になりました。

― 現時点(2019年10月)で85千部ですもんね。こんなに爆発する(売れる)と思っていましたか?

全く思っていませんでした。初めは本の出し方も分からなかった。ただ、瞬読というと怪しいとか、そんなに早く読めるわけがないというイメージもあります。「でも読めるんだ」ということを、どうやって伝えるか考えたときに「本しかない」思ったのです。

ソフトバンククリエイティブの担当編集さんが「すごく面白いから本にしよう」と言ってくださったのですが、会社の会議で「速読本はやらない」と一度は却下されてしまったんです。

「それなら私がその上司の方の読書スピードを、1時間で上げたらどうなんですか?」と申し出たところ、場を設けてくださって、私が上司の方に1時間レッスンをしに行くことになりました。その結果、その方は8倍のスピードで読めるようになり、それで出版が決まったのです。

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― 実際に体験すれば分かるんですよね。でもまだ速読本という部類に入れられて、「怪しい」とか「分からない」とか言われてしまう。これはもどかしいのではないですか?

1年たって、「瞬読を習って結果が出た」という声がたくさん集まってきていますので、Facebook などにお顔と名前を載せていくことを始めています。最近は大学や新聞社といったお堅いところからもお声が掛かって、講演をさせていただく機会も増えました。こういったことも少しずつ認知され、ご理解いただけていると思っています。

今後の人生に役立つスキルを

本が速く読める方法は、いろいろあります。私は瞬読でなければいけないとは思っていなくて、その人に合うものならばどれでもいいと思うのです。

瞬読はもともと塾生向けに、 今後の人生で役に立つスキルを付けてあげたいと考えたのが始まりなので、他の方法に比べて、子どもにでもできるシンプルさがあると思っています。

子どもは面白くないと続きませんから、短時間で結果が出て楽しく簡単にできることにこだわって作っているのです。ですからいろんな速読に挫折をしてきた人ほど、受け止めてほしいと思いますね。

ビジネスでの活用

― 協会というのはどういったことをされているのですか?

日本中の求める方々に、瞬読のお話をさせていただいています。地方の方とか、レッスンに参加しにくい方に向けて、いま瞬読協会のホームページで、無料のオンラインの体験会をやっていますので、ぜひ登録してみてください。

今は企業様からお声がかかるようになり、研修やセミナーもさせていただいています。働き方改革で残業を減らせという中で、会社は業務の効率を上げなければなりません。メールの処理、書類を読んだり作ったりを速くできるようにするために、瞬読はとても役に立ちます。こういった、今までとは違う活動もどんどんやらせていただいています。

山中恵美子4

本は人生を豊かにするもの

― 文章を速く取り込めるようになると、人生は変わりますよね。

変わります。子どもたちの中には学校に行きづらかったり家庭環境で悩む子がいますが、そういう子たちの世界はすごく狭いです。でも本を読み始めると、こんな知らない世界もある、こんな楽しいこともあると、世界がすごく広がるのです。

実際に不登校の子が高校に行き始めた例もありますし、学校に行かなくても大検を受けて大学に入る道があることをちゃんと本が教えてくれます。世の中には嘘の情報もたくさんありますが、本というのは著者が責任を持って書いています。様々な情報を取り入れて豊かになってくだされば、とても嬉しいです。

私はお金がないときに、図書館で大量に借りた本の中から救いを見出すことができました。本を読むのは自分に向き合うことができる大切な時間です。本の中でのたくさんの経験は、人生の目的を考え直すヒントをくれるし、本の中で出会ったたくさんの人に励まされたりする。それに語彙も増えますよね。瞬読でなくてもいいので、多くの方に、手当たり次第に本を読んでほしいと思っています。

― お金儲けから生まれたのでなく、「子どもたちのことを考えて始めた」ということが、この本を読まれる方には伝わると思います。

そうですね。私はそれが一番嬉しいです。

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瞬読を義務教育に

― 今後の展開について考えておられることはありますか?

瞬読がたくさんの子どもに伝わるために、義務教育に入れていただく活動をしていきたいと思っています。子どもが輝き、変わっていけば、これからの日本の国もきっと良くなります。瞬読はすごく簡単で子どもの基礎能力を上げるスキルですから、ぜひ義務教育に入れてほしいですね。

そして、家庭の事情で本を読みにくい環境にある子どもたちのところへ行って、一緒に本を読む活動をさせていただきたいと考えています。微力ながらこういった活動を広げていきたいです。

塾とともに歩む瞬読

― 普段はどんな生活を送っておられるのですか?

塾で仕事をしています。もともと塾で子どもたちの成長を見るのが、私のやりたかったことなんです。

― 塾というしっかりしたバックボーンがあって、そこから一つの形として瞬読が生まれた。瞬読がメインビジネスではないからこそ、ウソ偽りなく伝えることができるんですね。

あくまでも塾が基盤です。瞬読が怪しげなものであるならば、地元密着の塾ですから、すぐに潰れてしまいます。でも今、塾には常に数百人の生徒さんがいて、子どもたちは信頼してくれて、ずっと通ってくれています。塾は逃げられないし、いい加減なことはできません。だから、自信があります。

― 次の出版のご予定は?

2020年の1月に、瞬読の2が発売される予定です。動画や実際のプログラム付きですから、ご家族の方にも一緒に行っていただけると思います。

― 動画で山中さんのお話を聞けるのも、楽しみですね。本日はありがとうございました。

山中恵美子5

【略歴】
山中 恵美子(やまなか・えみこ)
一般社団法人瞬読協会 代表理事
(全国で30校以上の学習塾を経営する)SSコミュニティ株式会社 代表取締役社長。

1971年生まれ、甲南大学法学部卒業。大学在学中に日本珠算(そろばん)連盟講師資格取得。卒業後、関西テレビ放送株式会社に勤務。2003年、そろばん塾を開校 現5教室 のべ2,000人以上を指導。2009年 学習塾を開校現在、現グループ30校舎 約2万人の生徒が卒業。現在は、学習塾を経営する傍ら、経営者に瞬読を伝え、分速38万字で読める人を輩出するなど、瞬読を世に広めている。

一般社団法人 瞬読協会
https://syundoku.jp/