お客様と真剣に向き合ったからこそ、独立という道にたどり着いた。自身はサポート役が性に合っていると感じているからこそ、信頼されるエステサロンへと成長させることができる。神奈川県葉山で注目を集めるエステサロンRihand(リハンド)代表、エステティシャン・ネイリストの舟田里奈(ふなだりな)さんに、心も体も癒されるプロの流儀をとことん聞き取らせていただきます。
お客様と真剣に向き合うことで見えてきたもの
ー サロンを開くまでの経緯を教えてください
サロン開業直前は4年間横浜市内の大手化粧品メーカーで働いていました。働き始めて2年目ぐらいから、その中で1番にならないといけない感じになっていったのですが、私は同じ時間の中で、より多くのことをお客様にしてあげたいという思いで仕事をしていましたので、ついやりすぎてしまったことを上司に怒られたりということが何度もあったのです。
ー ついやりすぎてしまうというのは?
自分がやって欲しいことは何かを考えると、つい施術時間が長くなり、マニュアルから外れてしまうことです。
ー お給料は固定給だったのですか?
給料制ではなく、私の場合は完全歩合制でした。当たり前かもしれないのですが半分以上は会社の取り分なので、化粧品・エステでの売り上げが、2年目で月80万円くらいでしたが、営業も自分でまわっていたので、経費に消えてしまい手元にはあまり残りませんでした。会社とお客様があっての自分ですが、お金があっての生活なので…
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限られた枠から出るために
ー 独立は元々考えていたわけではないのですか?
はい、当時は独立など考えもしなかったです。今でもそう思いますが、リーダーシップをとったり、先頭に立つ器ではなく、完全右腕的な存在、2番目、サポート役が合っていると思っていて、当時も上司と一緒にやっていきたい、ついていきたいと思ってましたが、徐々に考え方の違いが膨らんで、この限られた枠から出たいと思うようになりました。
ー 独立に対する恐怖心はありましたか?
組織を出て「個」になるのはやはり怖かったです。業界の情報も入りにくくなりますし、個人でやっていた人が結局上手くいかなくて、私が働いていた組織に入ってくる場合も少なくなかったので不安は勿論ありました。
ー 恐怖心を持っていても独立を選んだ?
化粧品売り場で美容部員として働き始めまして、お客さんに触れることメイクすることには慣れていました。しかし、販売することよりもお客様をこの手で癒したいという思いがとても強くなり、6年務めた後にエステサロンへ転職したのです。
素晴らしい仕事だからこそ感じたジレンマ
こんなに人に触れられる職業はお医者さん以外にあまりなく、貴重なお仕事だと思いますし喜びも感じます。しかしあくまで化粧品を販売することがメインでエステはその次という体制が自分の考えとは違っていました。恐怖心よりも、その現状を変えるには、「独立しかない!」という考えの方が勝りました。
ー エステという仕事柄、初対面の人と打ち解けることなど、気を使っている事はありますか?
自分がして欲しいことを相手にも伝え実行する。細かいしぐさや身に付けている物をほめたりということは意識しています。
ー 小さい時からそういう性格だったのですか?
ほとんど親に褒められたことがなかったんです(笑)。長女なので出来て当たり前、また出来の良い妹がいましたからね(笑)。褒められたい、認められたいという欲求は強かったと思います。
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今を真剣に生きるから極めることができる
ー 目標とされるような存在の方はいますか?
私より5、6年先に自宅でお店を出した先輩です。某エステサロンに勤めている時、何もできなかったので、「誰よりも上手くなりたい」「誰よりも1番になりたい」という私に、「しつこいわね」と言いながら持っている技術や知識を惜しみなく教えてくれた人です。
ー 素直に人に聞くということはとても大切ですよね?
私は聞けないほうが不思議だと思いますし、「わからないなら聞けば良い」と思っています。生半可な知識をリセットすることなくそのまま習うと、なんでも中途半端になってしまうと思うのです。エステでもそうですが、伸び悩む人に限って知っている前提で物事を見てしまっているので、結果中途半端になり、辞めていく人を大勢見てきました。
人に何かを聞き学びたいのであれば、今までの知識をリセットし吸収しようと思う気持ちが大切だと思います。現在は美容学校にも通い始めましたが、周りは自分より若い人ばかりですが、自分の目的が明確にあるので、聞く力になると思っています。
達成感をわかっているから頑張れる
ー 達成感や目的というのはやはり大切ですか?
大手化粧品メーカーにいたころは、神奈川県でエステ部門の一番になる事も出来ました。達成感を分かっているから頑張れる。現状に満足せず、「もっとお客様に喜んでもらえる為には何をすればいいのか?」今も考えながら仕事をしています。今まで培った技術、そして音と光と香りでお客様を癒していけたらと思っています。
ー 気持ちが落ち込んでしまいそうな時はどうしていますか?
飲んで、泣いて、騒いで、愚痴をこぼす、ですかね。友人には助けられていますね。話をするといろんな意見が聞けて励みになりますし、根っからの打たれ強さはあるかもしれないです。起き上がり小法師のような(笑)。
その瞬間が一番若い!
ー 今後ますます楽しみですね?
このエステティシャンという仕事は特別な仕事であり、人の肌に触れることが許される限られた職業だと思っています。サロンの名前は、「Rihand(リハンド)」=私の名前+手という造語なのですが、お客様にはそれを感じて頂きたいと思っています。
尊敬する先輩が現役70才を目指すと言っていたので、先輩を立てて、私は60才まで頑張ろうと思っています(笑)。あと私は欲張りなので、極めたいことがまだまだたくさんあります。
ー 何かしたいけど踏み出せない女性はたくさんいると思うんですが?
「そのうち、そのうちに」って言っていたら…
その瞬間が一番若いですからネ!
「未来を憂いず、過去を悔やまず今を生きる」という言葉が好きです。
編集後記
エステという仕事に誇りを持ち、仕事に対してとても真剣に向き合っていると強く感じました。地域イベントでは和太鼓の演奏やコーラスをしたり、とても明るくアクティブで人を引き付ける魅力を感じます。お話させていただいただけでも、心も体も晴れやかになった気がしました。
【略歴】
舟田里奈(ふなだりな)
エステサロンRihand(リハンド)代表
1975年生まれ。神奈川県在住
短大卒業後、大手化粧品メーカー等で6年間働く。その後エステサロンに転職。エステサロン時代は系列店売上神奈川県№1になるなど華々しい経歴を持つ。2014年6月より自身のエステサロン「Rihand」を開業。その技術の高さと豊富な知識でお客様の心をつかむ、葉山で注目を集めるエステサロンとなっている。
神奈川県葉山
エステサロンRihand