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「笑う門には福来たる」お客様も作り手も幸せになる家づくり

「笑う門には福来たる」お客様も作り手も幸せになる家づくり

楽しいことがしたい、そして人のためになることもできれば…そう思って社会人となった犬山氏だったが、それは実際に仕事をしていくうえでも、実は大切なキーワードだった。笑顔あふれる家を作りたいと願う建築事務所経営者、犬山直人氏の根底に流れる、人へのあたたかな思いと家作りの理想をとことん聞き取ります。

人のためになる仕事がしたい

ー 現在、設計と施工の会社を経営しておられますが、昔から建築というお仕事を目標にしてこられたのですか?

昔から考えていたわけではありません。建築系の大学を出ているわけでもないですし、就職活動のときは、自分が楽しいと思うことをやりたくて、全く異なる業種の入社試験を受けたりもしました。ただ、なにか人のためになることができればというのは、ずっと頭の中にありました。

今までやったことの無いことにトライしたい

ー 結果的に大手のリフォームメーカーに就職されたわけですね。

そうです。住宅がメインのリフォーム会社です。営業と設計と工事管理を1人でやらせてくれると書いてあったので、「今までやったことがない事にトライさせてもらえるんだな」と思いました。それに「頑張れば人のためになれるかも…」というところに面白さを感じて、やってみようかなと思ったのです。

「仕事は見て学べ」という時代

ー 設計の基本をみっちり仕込まれたわけですか?

多分その会社で8年か9年ぐらい働いたと思うのですが、この頃は、仕事はていねいに教えてもらうという感じではなく、見て学べという時代です。自分で意識して覚えていかないといけなかった。設計や図面引きなども一から勉強したので、当時はとにかく覚えることに必死でしたね。

住宅の次は店舗の仕事に興味を抱く

ー 次に店舗のデザイン・施工の会社に入られたのですね。ここでは何を?

ここは店舗をメインでやっている、デザインと施工を両方引き受ける会社でした。思うデザインを形にするまでのすべてを、自分たちのチームでやろうという、そんな取り組みをする会社でしたが、当時あまりそういうのスタイルを見たことがなくて、ぜひやってみようと思ったのです。店舗をやってこなかったので興味もありましたしね。

数人の小さなチームに入らせてもらって。僅かな期間でしたが、主に作業をやる方のスタッフとして、現場の施工管理を担当しました。

ー 1つ目の会社で住宅を、2つ目の会社では店舗をやられたということですね。仕事は厳しかったですか?

やっぱり店舗は、昼も夜も現場を動かすようなところもあるので、そういった意味での大変さはあります。ただその分、自分たちが作ったものの面白さや魅力はあったから、がんばれたのかもしれませんね。

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ご縁があってステップアップすることができた

ー その後、先輩に誘われて大手住宅メーカーに入られたということですが、そちらではどんなことを?

そこでは営業のみです。新築の住宅の営業という立場でした。

ー リフォームをやって、店舗をやって、次に新築住宅と、ステップアップしていかれたわけですね。

いえ、たまたまそういうご縁になっていったというだけで、ステップアップではないですね。そう見えちゃうかもしれませんけどね。

フィットしない自分がいたからこそ次のステージへ

ー そのあと会社を替わられたりして、結果的にご自身で会社を経営することになったのですが、その経緯を教えていただけますか?

ずっと勤めていたいと思った会社だったのですが、自分のほうがフィットしない部分もあってたことに気づいて、「離れなきゃいけないな」と思うようになって。どこか別の会社にという行くあてもないから、一人でやらざるを得なくなっちゃったということで、独立を目指して独立したとはいえない流れですね。

ー 独立されて今年で8年目ですね。今はどういった形でお仕事されてるんですか。

住宅がほとんどです。ご依頼いただける中でたまに店舗もあるという感じですかね。

一生懸命にやらせていただくからこそ、得られる結果がある

ー ほとんどの依頼が紹介でということですが、そのような形にしてらっしゃるのですか?

結局一生懸命やらせていただいたお客様が、よかったと喜んでくださっていれば、もう一回頼んでくれることもあるでしょうし、お知り合いやお身内をご紹介してくれるということもあるのかなと思います。それが結果として紹介として繋がっているという事だと思います。

ー 紹介をもらうというのは、犬山さんの評価になっているということでしょうね!

あまりそういう言葉を使って表現したことはありませんが、確かにひとつの判断基準になっているとは思います。ただ、自分の気持ちとしては、大きな会社ではないので、ひとつひとつのお仕事を一生懸命やるしかないんですよね。その流れの中でご紹介いただいたりしているので、一生懸命やった結果がそういう形になったのであれば、良かったなとは思いますが、それがすべてというわけではないですね。

誰のための仕事なのか?

ー 楽しく人を喜ばせたい、人の役に立ちたいというのがありましたが、それはいつも心がけていらっしゃるのですか?

何をやるにしても、独りよがりのことをやってもしょうがないんで。特に今やっている仕事に関しては、住宅にしろ、店舗にしろ、僕の所有物でなく、あくまでもお客様のものをやらせていただいているわけですので、「お客様が喜んでもらえるものを作るためにご協力しなければいけない」と思っているのです。

そのためにも、自分も楽しまなきゃいけないし、たのんでくれたお客様が喜んでくれて、楽しんでもらえるものにしなきゃいけないし、それをするにはみんなで楽しくやっていくことが一番大切だと思う。

みんなが楽しく働ける環境づくりは自分の役目

僕の場合は設計と施工をやっているので、お客様にはデザインだけでなく、作ったものを提供します。つまり、僕とお客様の他に、周りに職人さんたちがいるわけですよね。作る人たちがどれだけ楽しいって思えるか、このお客様の為にどれだけ一生懸命がんばろうって思えるかっていう、環境を整えてあげるのも僕の役目なのです。

そういう意味では、お客様と僕と、作り手の人間の皆がやって「楽しかったな」「良かったなって」思える環境をどれだけ作れるかというのが、僕の仕事なのかもしれないですね。

上下の意識を無くし、お互いを理解する

僕らの業界は、仕事を出す人間、依頼する側、いわゆる設計者だったり施工会社が上で、職人さんが下みたいな見方をする傾向があるのですが、僕はあんまりそういう考え方が好きじゃないんです。誰が上とか下とかじゃないですよね。

僕がいくら仕事を依頼しているとはいっても、職人さんたちがいなければ成り立たないわけです。そういう職人さんたちに対しての感謝の気持ちもあるし、お客様にもそれを理解してもらいたいし、そして職人さんたちにも、お客様に喜んでもらうために仕事をしてもらいたい。そういう三角形がうまくいった時が、一番楽しいなって思える瞬間かなと思います。

みんなが笑顔になれるお手伝いをする

ー お仕事において楽しむということを大切にされてらっしゃるのですね。お客様も楽しむし、犬山さんご自身も楽しむという。

やっぱり人が楽しんでいれば笑顔にもなるし、笑顔が溢れるっていうのが、いちばん家としては正しい姿だと思いますね。だから、家族みんなが笑顔になれるような環境を作れればそれが一番です。僕自身がすばらしいデザインとかすばらしい作品を作れるかどうか、そういうことよりは、お客様が笑顔になれる家やお店にすることのほうが大切で、そのためのお手伝いができればな、と思っています。

同じ目線に立ってこそ楽しめる

ー 最後に、犬山さんの仕事の流儀というか、心がけていることを教えてください

楽しんでという部分が一番大きいと思うんですが、お客様とどれだけ同じ目線に立ってできるかということを、自分としては気にしています。

感覚的な話なのかもしれませんが、どっちが上とか下とかにならない、お客様と同じ目線に立って話し合いをすることができれば、お互いに楽しいんじゃないかな。それで、同じ空気が吸うことができれば、それが一番幸せかなっていうのをすごく感じます。そんな空気感を自分の中では気にしていますし、大切にしたいなあと思います。

お客さん様には「どういう作品を作りますか」とか聞かれますが、僕自身すごいデザイナーでもないですし、作品を作ってるという感覚ではないんです。あくまでも、お客様の家をどれだけ大切に考えて、楽しんでもらえる空間に変えられるかっていうことを努力する。そういう気持ちでやっています。

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人のために尽くす気持ちを忘れない

ー 最終的には人のためになる仕事、というところですね。

そうですね。長いことやってると、それを忘れがちになることもあります。でも、最終的には思い出して、そこにもどるようにしています。
最近、「FORTUNE FAVORS CHEERFUL HOMES = 笑う門には福来たる」というのを、自分の会社のロゴのようなものにしているのですが、この言葉がすごくいいなと思うのは、そういうとこかも知れないですね。

やっぱり笑顔が家に溢れることによって、お客様も幸せになると思うので、そのためのお手伝いをどういう形でできるのか、僕なりの仕事の角度から、これからも協力させていただく努力をしていきたいと思っています。

こうじゃなきゃいけないというのは、たぶん自分の中にもないですね。あるのは、その時そのときお客様に対して何ができるか、何を自分がお手伝いできるのかという想いなのです。

編集後記

お話してみると、とても繊細で真面目な印象を強く受けました。お客様の要望に対しても真剣に向き合い、一緒にいいものを作ろうという姿勢にプロ意識を感じます。
事務所にあるショップスペースには犬山さんがセレクトした小物やアンティーク家具が並び、居心地の良い空間を作り出すセンスは、家づくりに直結しているのだろうと感じました。

【略歴】
犬山直人(いぬやまなおと)
株式会社ライフプラスアーキテクト 代表取締役
横浜市出身。大学を卒業後、1997年大手リフォーム会社・設計・施工監理・営業という立場で建築に関わり多くの経験や設計などの基本を学ぶ。その後、店舗建築、新規住宅の営業を行う。2007年より湘南の設計・施工会社に勤務。2011年LIFE+ARCHITECTを設立。2017年に法人化し、株式会社ライフプラスアーキテクトに改名。業務内容は、設計、デザイン、土地探しと、住宅や店舗の建築に関わる業務全般に対応。

株式会社ライフプラスアーキテクト
https://www.lpa-design.com/